ハンドリング力を上げるには?その①:セミナー参加者の感想からの考察
「ハンドリングについては動作介助・歩行介助のイメージがあり、それらに対してはあまり好意的な印象を持っていなかった。 というのは運動学習を促すに当たり、ハンドリングは患者の出力に対し常に一定の反応を返せず学習を阻害してしまうという考えがあった。 そのため、都度都度行いはするが道具や環境を設定してできるだけ介助(ハンドリング)せず患者自身で動作を行えるように工夫していたが、 今回のセミナーでハンドリングに対する考え方が変わり、患者自身の知覚の促し、筋緊張の確認・変化、運動学習の補助といった面で有効であり、自分自身の訓練を重ねていきたいと思った。」 これは、先日の仮説検証セミナーの参加者の方の感想です。 ハンドリングって、曖昧ですよね。徒手的な介入全てを私はハンドリングと表現してしまいますが(細かく説明するのがめんどくさいため、笑)。 しかも見た目は同じような感じでも、熟練したセラピストと、若いセラピストでは、相手の反応が全く違う。いわゆるエビデンスを出すのは非常に難しい。条件を一定にすることは難しいし、誰にでもAのハンドリングをすれば結果Bになるといったルールも作りにくい。 特にハンドリングが苦手だったり、その違いによって変化が大きく変わる、という経験をしていなければ、ハンドリングはただの怪しい技術、としか捉えられていなかったりします。エビデンスがないとかね。再現性がないとかね。できる人にしかできないとかね。 ハンドリングは、こちらから相手に一方的に刺激を与えると、ある決まった反応が生まれる。というものではないと僕は思っています。 ハンドリング(徒手的な介入)も、声かけも、実は患者さんに提示する課題でも、同じだと考えていますが、こちらが与えるというものではなく、 介入とは、 「こちらのアクションにより、相手の体験(フィルター)を通じた、反応の変化を生み出すきっかけを作り出す」 という相互作用を生み出すものであると思っています。 こちらの徒手的な刺激や声かけは、こちらの意図した通りには伝わりません。 「好きです」という告白をしたら、必ずしも 「私も…好きでした」 とならないのが世の常な訳です。 「好きです」というこちらからのアクションに対して、
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